若年女子学生におけるアディポネクチンの健康指標としての意義

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脂肪細胞は、摂取した余剰エネルギーを蓄えるエネルギー備蓄装置として働いているのみでなく、脂質代謝や血圧調節、血栓形成など様々な生理作用をもつ液性因子-アディポサイトカインを分泌する生体内で最大の内分泌臓器として再認識されるようになった。アディポサイトカインの一種であるアディポネクチンは、脂肪組織から特異的に分泌され、血管内皮細胞に直接働き抗動脈硬化作用をもつホルモンであることが明らかにされている。また、レプチンは、中枢神経に作用して強力な摂食抑制やエネルギー消費亢進をもたらし、脂質代謝に重要な役割を有していることが明らかにされている。我々は今回、若年女子学生における血清アディポネクチン濃度(以下、アディポネクチン)とライフスタイル関連の健康指標との関連性について、アディポネクチンをELISA法によって測定し、レプチン、脂質代謝値、体力、ライフスタイルプロフィール・スコアーとの相関を検討した。対象者は、年齢20.0±1.5歳、BMI 22.0±5.5kg/m^2の女子学生99名であり、アディポネクチンは、5.3±2.7μg/ml、レプチンは、7.8±4.5ng/mlであった。アディポネクチンは、HDL-コレステロールと正の相関、血清レプチン、トリグリセリドおよびBMIと負の相関が認められた。BMIの高い肥満群(BMI 25kg/m^2以上)は、BMI正常群(BMI 22kg/m^2)に比してアディポネクチン、HDLコレステロール、ライフスタイルプロフィール・スコアーおよび体力が有意に低く、レプチン、総コレステロールおよび血清トリグリセリドが有意に高値を示した。以上の結果から、血清アディポネクチン濃度は、健康指標として役立つマーカーのひとつであり、その改善は、ライフスタイルを良好に維持するための動機付けのひとつとして重要であることが示唆された。
群馬パース大学の論文
2005-09-01

若年女子学生におけるアディポネクチンの健康指標としての意義

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