ヘドロの利活用 : II.ヘドロの乾燥特性

概要

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前報[4]では4種類のヘドロを対象として,基本的物理性の検討を行い,ヘドロが極めて細粒質の粘性土で,かつ超軟弱であることを明らかにした.本報では霞ヶ浦から採取した淡水ヘドロを加え,既報のデータとともに基本的物理性について比較検討した.続いて,東京湾羽田沖のヘドロについてはコンシステンシー特性,pF-水分特性,透水特性並びに締固め特性等を対象として乾燥過程の違いによる変化状況を検討した.物理性並びに乾燥特性の検討より得られた結果は以下に要約される.1.生土の霞ヶ浦(K)のLL・PLがともに異常に大きいことが注目される.特にLL値はKがHの3倍近い値を示している.これには淡水と海水の違いの他に強熱減量(有機物含有量)が関係しているものと考える.2.乾燥の進行に伴い乾燥密度(ρ_d)は増加し,透水係数(k)は大きく低下するが,脱水3(pF3.8)を境にkが急激に増大している.これには少なくとも透水性を左右する乾燥亀裂が発生したものと考える.3.締固め曲線は乾燥過程と湿潤過程との間に明らかにヒステリシスが現れており,火山灰質粘性土と同様の性状をもつものと判断される.4.ヘドロは,土のコンシステンシー特性,水分特性,透水特性並びに締固め特性において,脱水・乾燥に伴う質的変化,すなわち不可逆性が認められる.
千葉大学の論文
1998-03-31

ヘドロの利活用 : II.ヘドロの乾燥特性

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