保水剤の添加による土壌物理性の変化 : VIII 関東ロームの場合
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概要
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これまでは主として砂及び砂質土のような粗粒土を対象に,保水剤混合土の物理性について検討してきた.それらの成果を踏まえて本報では,細粒土であり,また,わが国の代表的な特殊土の一つである関東ロームを対象土とした.用いた保水剤はこれまでと同様A, B, C及びDの4種類とし,保水剤の関東ロームへの混合率は0.1, 0.5及び1.0%として,混合土を試料調整し,原土と比較した.取り上げた土の物理性は締固め特性,毛管上昇高並びに透水特性である.得られた結果は以下の通りである.1.いずれの保水剤混合土においても,混合率0.1%混合土の最大乾燥密度(ρdmax)及び平均的な乾燥密度(ρd)が原土のそれらより大きい.2.いずれの保水剤混合土においても,1.0%混合土の締固め曲線にはピーク値(ρdmax)は認められなく,突き固め時の含水比(w)の増加に伴って乾燥密度(ρd)は減少していく.3.混合率の小さい混合土においては,初期の段階で原土の毛管上昇高(h_c)が最高であるが,途中からh_cは低下する.しかし,混合率1.0%の混合土では原土のh_cが最終測定値まで最高位を持続させる.すなわち,混合土中の保水剤は吸水・膨張することによって毛管上昇を抑制する.4.突固め時の含水比(w)の増加に伴って透水係数(k)は,一定の傾向で推移するもの及び増減の変化をするものがあるが,いずれの混合土も最適含水比(w_<opt>)を過ぎた段階で最低値を示す.
- 千葉大学の論文
- 1993-03-25
著者
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