農協共販の経済理論序説
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概要
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農協問題は,運動論,組織論,経営論など様々な観点から接近することができる.本稿では,ミクロ経済学の初歩的な理論を用いて,農協の販売事業について経済理論的に接近した.農協が完全に競争的な状態にある場合は,農協がそのような状態を創り出す過程での貢献を別とすれば,その行動は集出荷商人の行動とほぼ同じである.他方,農協が競争的な状態にない場合は,その役割は大きい.買手独占を想定した場合,集出荷商人は利潤極大化を目指して行動するが,農協は利潤極大化を唯一の目標として行動することはない.組合員に対し,販売代金のほかに超過利潤を利用高配当金として給付し,組合員の生産拡大の誘因を生み出すことにより,購入量と買取価格を制限し,超過利潤を獲得する独占者の行動を抑制する装置が内装されていることが明らかとなった.
- 千葉大学の論文
- 2000-03-31
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