H. 「新パルプ資源ケナフの栽培と利用に関する研究」
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概要
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本研究は、エコマテリアルとしての非木材繊維資源に最も適切である一年生植物ケナフ(Hibiscus cannabinus L.)の栽培とその利用を目的に、1'993年より開始した研究である。従来の成果は、すでに本年報1'992、'94、'95、'96、'97および'98年に報告した。昨年度は、特に従来のケナフ栽培の成果の総決算として、平塚市と共同研究を行ない、休耕田にケナフを栽培した。栽培したケナフは、秋に採集し、二度に渡ってパルプ工場でパルプにした。このパルプは、第一回目は、封筒として平塚市が使用し、第二回目は、名刺、封筒、便箋紙として市民に還元した。この本年の平塚市との一貫した共同作業は、産官学プロジェクト作業の一大モデルとして全国にアピールし、各地のケナフ栽培を進展させ、今日に至っている。途上、数多くの講演会、シンポジウム、栽培の立ち会いと指導などでの啓蒙と普及をはかった。本年度もこの共同研究と共同作業は続いている。一方、栽培したケナフを用いる環境保護・保全に対する野外実習と室内学習に際し、各小学校・公民館・作業所におけるパルプ化と紙すきの実施にあたり、従来の化学薬品を用いるパルプ化とその漂白では、危険があり真の環境保全ではない(薬品を流すことから)と感じ、無薬品漂白を試みた。その結果、新しい方法として水だけで蒸解し、その前後処理や叩解をうまく組み込む方法を確立した。この方法は、「ケナフパルプの作製方法」(特許願第320811号)として出願し、1'999(平成11)年7月30日付で審査合格し、特許第2960063号として認可登録された。こうした背景から各所での無薬品パルプ化と漂白の指導を行い、学生と一環となって啓蒙運動を行なった。このような成果を非木材紙普及協会の機関誌JELBAへ掲載した。また、第3回ケナフ栽培・利用研究発表会(非木材紙普及協会主催)みおいて"ケナフは熱帯雨林を救えるのか?(1)ケナフの光合成代謝系の同定と二酸化炭素CO_2同化の特性について"と題した研究発表を行ない、地球温暖化防止賞を授賞した。以下論文の要旨と概要を記載する。
- 神奈川大学の論文
著者
-
門屋 卓
非木材紙普及協会
-
黒部 敏夫
平塚市産業推進課
-
釜野 徳明
工学部
-
村上 悟
工学部
-
井上 和仁
Department Of Biological Sciences Kanagawa University
-
鈴木 祥弘
神奈川大学理学部生物科学科
-
大塚 一郎
神奈川大学工学部一般教育生物
-
鈴木 祥弘
Department Of Biological Sciences Kanagawa University:to Whom Correspondence Should Be Addressed.
-
井上 和仁
Faculty of Science, Kanagawa University
-
黒部 敏夫
平塚市経済部産業推進課
-
林 節雄
日本ケナフ普及推進機構・事務局
-
中丸 博行
平塚ケナフ協会
-
釜野 徳明
神奈川大 総理研
-
鈴木 祥弘
Kanagawa Univ. Kanagawa Jpn
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