ラテックス凝集免疫測定法による尿中遊離L鎖定量の臨床的意義について
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概要
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我々は尿中免疫グロブリン遊離L鎖(free light chain: FL鎖)の定量法として新しいLatex agglutination immunoassay (LAIA)を開発し,本法を用いてその臨床的意義について検討した。免疫電気泳動で検出されるBence Jones protein (BJP)は本法により定量が可能となり,BJPを伴う多発性骨髄腫の診断,治療効果の判定ならびに予後の指標に有用であることが明らかにされた。単一クローン性L鎖の増量は原発性マクログロブリン血症,原発性アミロイドーシスおよび全身性エリテマトーデスに見出された。尿細管障害を伴う腎疾患では尿中両FL鎖の増加を示し,特に,Fκ鎖よりもFλ鎖の方が優位な尿中排泄増加傾向が認められた。膠原病では全身性エリテマトーデス,慢性関節リウマチ,多発性筋炎・皮膚筋炎,オーバーラップ症候群,シェーグレン症候群,スティル病ではFL鎖の増加ならびにκ/λ比の異常が多く認められた。以上の所見より,尿中FL鎖測定はBJPを伴った多発性骨髄腫,腎疾患,膠原病などの病態において有用な免疫マーカーであることが示唆された。
- 北里大学の論文
- 1998-10-31
著者
-
大谷 慎一
北里大学医学部臨床検査診断学
-
大谷 英樹
北里大学医学部臨床病理学
-
大谷 英樹
臨床病理学
-
大谷 英樹
総泉病院 内科
-
大谷 英樹
総泉病院内科
-
大谷 慎一
北里大学医学部臨床病理学
-
大谷 慎一
北里大 医 臨床検査診断学
-
大谷 慎一
北里大学医学部・臨床病理学
-
大谷 英樹
北里大学医学部臨床病理
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