糖尿病に合併する局在性神経障害の発生頻度
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概要
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糖尿病性神経障害検索のために神経伝導速度(Nerve Conduction Velocity;NCV)測定を実施した糖尿病患者543名の対象を得られたNCV値より,全て正常な群(Group 1),下肢のみ低下している群(Group 2),全て低下している群(Group 3)の3群に分類し,各群における電気生理学的局在性神経障害の発生頻度を比較検討した。全対象中28.0%に,群別ではGroup 1は25.7%,Group 2は50.0%,Group 3は23.4%に局在性神経障害が認められた。部位別では手根管(CT)部が全対象の23.9%,肘部管(CuT)部は3.9%,足根管部は0.2%で,特に局在性神経障害症例の85.5%がCT部で女性に有意に多く,CuT部での障害例は男性に有意に多かった。以上より,糖尿病ではかなりの症例でsubclinical neuropathyが存在することを考慮すると,複数区間での区分伝導速度測定やNCV比,振幅比など各種パラメータの利用により,電気生理学的診断精度が向上することが示唆された。
- 北里大学の論文
- 1997-06-30
著者
-
橘 滋国
北里大学医学部脳神経外科
-
荒幡 篤
北里大学医療衛生学部・臨床生理学
-
橘 滋国
北里大 医 脳神経外科学
-
橘 滋国
北里大学医学部・脳神経外科学
-
橘 滋国
国際親善総合病院 脳神経外科
-
斎藤 江美子
北里大学病院・臨床検査部
-
鳥居 順三
北里大学病院内科
-
鳥居 順三
北里大学医学部・内科学
-
橘 滋国
北里大 医
-
河島 江美
北里大学病院 臨床検査部
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