感染症におけるhost-parasite relationshipの分子生物学的解析 第4報,鼠癩菌と他種細菌ならびに諸種動物細胞由来のDNAの間における塩基配列相同性について
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概要
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私共はこれまで,細菌感染症におけるhost-parasite relationshipを宿主動物細胞と寄生体細胞のDNAの間における塩基配列相同性の大小によって説明できるのではなかろうかという考えで実験を行なってきた。本報では,鼠癩菌感染症をとりあげ,本症に対する感受性を異にする2系統のマウス細胞と鼠癩菌との間のDNA塩基配列相同性の大小を比較することを中心に実験を行ない次のような成績を得た。1.本症に対して強い感受性を示すCBA/J系マウスならびに比較的抵抗性を示すC57BL/6N系マウスのDNAと鼠癩菌DNAとの間の塩基配列相同性は前者間の方が遙かに大きかった。2.鼠癩菌wild type株を感染させたマウスの肝・脾から分離精製したin vivo菌と,これを人工培地上に継代移植した7代株と81代株の間には,やはり,DNA塩基配列に変化が認められ,継代を繰り返すことにより変化の程度が増大することが明らかとなった。なお,かかるDNA塩基配列相同性の大小や菌株間の塩基配列の変化がhost-parasite relationshipの発想といかなる関連を示すかについて考察を行なった。
- 北里大学の論文
- 1983-04-30
著者
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