サルモネラ菌体表層抗原を認識するモノクローナル抗体

概要

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Salmonella 感染症の診断用免疫血清の単クローン抗体化を試み,次のような成績を得た。1)各種 Salmonella のホルマリン死菌で免疫した BALB/c マウス脾細胞とマウス myeloma 細胞 SP 2/0-Ag 14とを50% polyethylen glycol法を用いて細胞融合させ,抗Salmonella O抗体を産生するhybridomaを得た。2) ELISA,スライド凝集反応を用いて抗体活性の検討を行い,限界希釈法による cloning をくり返すことによってO群特異的モノクローナル抗体を産生する8種類のハイブリドーマーO3群(モノクローナル抗体NW3を作製した,以下同じ),O7群(CH37およびTO5),O8群(AL1およびGL1),O9群(EN1,EN2およびST3), O13群(GP1),O15群(NW24),O6, 14群(OS1)O46群(ST6)-を確立した。3)モノクローナル抗体NW3,NW24によって,従来のポリクローナル抗体では区別し得なかったO3,15群の糖鎖構造を個々に識別することができた。4) EN1, EN2およびST3の吸収試験の結果から,O9抗原は2〜3の部分抗原から構成されていることが示唆さた。5)作製した12種類のモノクローナル抗体はすべてテストした Salmonella 菌株のO抗原と特異的に反応し,しかも交差反応性を示さず,Salmonella 感染症の診断用因子抗体として極めて有用であることが分かった。
北里大学の論文
1988-06-30