プロラクチン産生下垂体腺腫の最近の課題 : その画像診断と治療法を中心に
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概要
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プロラクチン産生腺腫の治療法は手術療法から,ブロモクリプチン(BC)による薬物療法に置き変わりつつある。しかし,BCの問題点として次ぎのことがあがる。(1)BCの投与期間と量はどう決めるのか?BCの投与期間に関しては,プロラクチン値が正常化し画像上腺腫が消失してから1〜2年さらに継続し,その後BCを中断する。投与量については,プロラクチンが正常化してから有効薬物量,またはその2〜3倍の量を1〜2年続ける方法がよいとされている。なお,サイズの大きく,治療前のプロラクチン値の高いものほどプロラクチン値の再上昇率は高く,観察期間中特に注意を要する。BCの投与量とその期間に関してはもう暫くデータを集める必要があるが,一つの目安として試みて良いと思われる。(2)BC抵抗性プロラクチン変生腺腫の存在。これに対しては,プロラクチン産生腺腫に有効な,BC以外のドパミン作動性薬剤としてnon-ergot D2 dopamine agonistであるCV205-502が注目を集めている。最近では^<60>COを使用したgamma-knife radiosurgeryが有効であざと考えられる。一方,MRIは中枢神経の画像診断に画期的に貢献しているが,下垂体腺腫の診断,治療法心の決定においても寄与する所は大きく今や必須な術前検査法である。プロラクチン産生腫瘍の診断法や治療方法は今後さらに変化発展すると思われる。ここでは,本疾患における最近の画像診断の進歩,治療方法の新知見を中心に私見をまじえながら紹介した。
- 千葉大学の論文
- 1994-10-01
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