温熱暴露による白ねずみの血清酵素活性値の変化
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概要
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本研究は温熱環境に Sprague-Dawley 系雄白ねずみを暴露した期間中および回復期の血清クレアチンフォスフォキナーゼ (creatine phospokinase), 血清クレアチンフォスフオキナーゼのイソ酵素 (creatine phospokinase isozyme), 血清アルドラーゼ (aldolase) 及びイソクエン酸脱水素酵素 (isocitrata dehybrogenase) の活性値の変化を観察した。温熱暴露群 (H群) は34℃, 相対湿度50-70%の温熱環境にで午前9時から午後1時までの毎日4時間, 25日間暴露した。回復群 (R群) はH群と同様に温熱暴露した後は25日間24℃で飼育した。対照郡 (C群) は24℃で50日間飼育した。1) 血清CPK活性値は温熱暴露初期に有意に増加したが, 短期間の内にC群の値に帰した。回復期においては初期に上昇の傾向が見られたが有意な差ではなかった。その後, 回復期においては変化がみられなかった。2) C群のCPKの電気泳動像には3つの分画が見られたが, 主に MM-CPK及びBB-CPKであり, MB-CPKの割合は非常に少なかった。H群での血清CPK活性値の増加はCPKのイソ酸素であるMB-CPKの有意な増加が反映したものであることが明らかになった。R群ではC群との差は見られなかった。3) 温熱暴露初期に血清ALD活性値は有意に高い値を示した。回復期においてはC群よりも若千低い値を示したが有意ではなかった。4) 温熱暴露初期において血清ICDH活性値は有意に上昇したが, すみやかに減少しC群の値に戻り, その後, 回復期終了まで変化は見られなかった。5) 本研究の結果をまとめると, 34℃の温熱暴露により血清CPK, CPKイソ酸素, 血清ICDH活性値のすべてに影響が見られた。特にMB-CPKイソ酸素の割合の上昇が顕著であった。これらは細胞損傷あるいは細胞膜透過性の増加によるものだと考えられた。
- 1993-04-24
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