女子運動鍛練者及び非鍛練者の暑熱適応

概要

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身体鍛練によって暑熱に対する適応性が高まることがこれまでの研究によって明らかにされている。しかし、それらの多くは男子を対象とするもので、女子を対象とした報告はきわめて少ない。そこで、本研究は長時間にわたる激しい運動量と伴うスポーツの鍛練者と非鍛練者の暑熱応答と比較検討したものである。それぞれ5名の鍛練者及び非鍛縁者が室温32℃(比況45%)の人工気候室で椅座位と保って42℃の浴槽に両脚を膝まで浸し60分間の安静位と続けた。その間、直腸温、皮膚温(3点)及び心拍数が記録され、これ以外に、胸部及び背部から12.6cm^2にわたって発汗量が測定された。実験の結果、暴露中の鍛練者の直腸温と心拍数は有意に低く、耐暑性の大きいことが観察された。また鍛練者の発汗に対する閾値温は非鍛練者のそれよりも低く、さらに、単位深部体温当りの発汗量は鍛練者において大きかった。これらは鍛練者の発汗に対する感受性の大きいことを示すものと考えられる。そして、この結果はこれまでに男子を対象として報告された結果と類似したものであった。女子は男子と比べて、身体的に不活発であり、汗を出すことをむしろ避けるような生活習慣を持つために、男子と比較した場合、発汗応答がおそく、発汗量も少ないものと思われる。
名古屋女子大学の論文
1979-03-15

女子運動鍛練者及び非鍛練者の暑熱適応

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