テンペの機能性 : 動脈硬化抑制作用および抗高血圧作用の基礎的研究 : LDL抗酸化能および抗高血圧物質GABA含量

概要

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テンペの生理機能に関する研究の一環として, 動脈硬化を誘発する血中LDL酸化に対するテンペの抑制効果について検討し, さらに抗高血圧物質のGABAの含有量を調べた。1. テンペは, 前処理した大豆を Rhizopus sp. LKN で発酵させて製造した。2. テンペは, 発酵前大豆に比べて, LDLの酸化を著しく阻害した。この結果は, 動脈硬化に対するテンペの顕著な予防を反映している。3. 発酵前処理大豆はDaiG, GenG, Dai, Gen, Glyを含んでいた。これらのIFは大豆の主要IFであった。テンペ発酵によって, 大豆中のIF配糖体DaiGとGenGの含量は減少し, アグリコンIFのDaiとGenの含量は増加した。4. アグリコンIFのDai, Gen, GlyのLDL抗酸化能は, IF配糖体のDaiG, GenG, GlyGよりも高かった。5. これらの結果は, テンペのLDL抗酸化能にはアグリコンIFが関与していることを示唆する。6. テンペ発酵過程でのGABA含量を調べた結果, 大豆をテンペ菌で発酵させると, 多量のGABAが生成することが見出された。7. テンペのGABA含量 (5または10μmol/g) は, GABA富化胚芽米の5〜10倍で, 発芽玄米の2〜3倍であった。8. これらのことから, テンペは発酵前の大豆と比較して強い抗高血圧作用を示すものと考える。
2005-03-31