黒豚の遺伝系統間による呈味試験について

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概要

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黒豚は豚肉の中でも「高級」の位置にあり,その美味である認知度は目本の豚肉の中で随一である.黒豚は世界各国で品種・改良されており,日本にはイギリス系,アメリカ系,鹿児島系という主な系統が存在する.本報告は,系統による違いが肉質に及ぼす影響を調査するため官能検査を実施した.その結果,アミノ酸含量・脂肪酸組成ではアメリカ系の方が多い傾向にあった.官能検査で肩ロースの部位については,香りの評価を除いてアメリカ系が若干高い評価となり,ロースの部位では官能検査の各項目でイギリス系が高く評価され,仮定した内容と必ずしも一致せず,部位による差が生じた.成分分析と官能検査との関連は香りと脂肪酸組成で関連があり,軟らかさと脂肪量だけとの関連性はなく,肉の味とアミノ酸合量については味覚によって識別できるレベルには至らなかったと推察された.豚肉の官能検査で,加熱条件,テクスチャー,肉汁の旨味成分,筋繊維の太さなど様々な要因の影響を考慮し比較する必要性が考察された.
2005-03-31

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