琉球特産種オオキバナムカシヨモギについて
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概要
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ツルハグマ属Blumea DC.は本邦では数少ない熱帯および亜熱帯性のキク科植物(オグルマ族)の1つである。東南アジアを中心に西はアフリカから東はミクロネシアに至る地域に生育する。ツルハグマ属を分類学的にまとめて検討したRANDERIA (1960) は結論として49種を数えているが, その論文のTaxa and names of uncertain statusの項に56もの種名をあげている。琉球産植物については目録などもいくつかあるが, 研究者によってはツルハグマ属の各種の見解に相違が見られる。ここではオオキバナムカシヨモギB.conspicuaについて検討し, 近縁のカズザキコウゾリナBlanceolariaと明らかに区別されるべき分類群(種)であるという結論を得た。琉球列島に分布するツルハグマ属植物のうち, オオキバナムカシヨモギ, カズザキコウゾリナとツルハグマB. riparia var. megacephalaの3種は山地の林床のやや湿った谷すじや林縁または森林内の低灌木の間に生育しており, いわゆる野生状態と判断されるものである。したがって, これらの種の分布は人間とはかかわりあいがなさそうである。オオキバナムカシヨモギは屋久島から与那国島にかけて分布する琉球特産種である。カズザキコウゾリナはアジア南部からフィリッピンおよびインドネシアに分布し, 琉球列島では西表島と石垣島に生育する。また, 東南アジアからフィリッピン, インドネシアを経てニューギニア, ソロモン諸島に分布するツルハグマは琉球では西表島にのみ見られる。これら両種は熱帯にその分布の中心を持つので, 琉球での存在はそれらの北上した結果と考えられる。
- 1974-09-20
著者
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小山 博滋
国立科学博物館植物研究部
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小山 博滋
京都大学理学部植物学教室
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小山 博滋
Department Of Botany National Science Museum Tokyo
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小山 博滋
国立科学博物館植物研究所:(現)京都大学理学部植物学教室
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