非線形力学系における3次元分岐構造の自動追跡

概要

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常微分方程式で記述される力学系において平衡点, 周期解が生じている場合, パラメータを変化させることにより平衡点や周期解の安定性が変化する現象, すなわち分岐現象が観測される. 分岐現象の生じるパラメータ集合を調べることは, 周期解, 準周期解, カオスの解析に非常に重要とされている. 計算機の高性能化によって, 高次元の分岐計算であっても実用的な時間内に行なうことができる. しかし, 高次元での計算を行なっているにも関わらず, 結果の表示に関しては平面図にとどまりがちである. 3次元表示に適した追跡法が確立されていないこと, また, 構造の分離, 癒着, 構造の内部に分岐が連鎖しているなど3次元表示が困難な形状があることが原因である. 我々は前報で3次元パラメータ空間での分岐構造の追跡手法の提案, 検証を行なった. しかし, 従来の手法にはいくつかの問題点が残っている. 本報告では, 従来法の問題点を解決でき, かつ汎用性の高い追跡法の提案を行なう. また, 3Dグラフィックスを用いた視覚化とともに, 光造形技術を用い構造の模型を作成し, 細部の形状確認を行なう.
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-01-17