高分子ゲート絶縁膜を用いた有機電界効果トランジスタの作製とその性能評価および改善

概要

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本研究ではポリエチレンナフタレート(PEN)基板上にスピンコートされてポリカーボネート(PC)薄膜をゲート絶縁層とし、真空蒸着されたペンタセン薄膜を活性層とする有機電界効果トランジスタ(OFET)を作製した。PC薄膜とペンタセン薄膜の表面形態と配向について、分子間力顕微鏡(AFM)とX線回折装置(XRD)を用いて評価した。PC薄膜の表面は分子レベルで平滑であり、ペンタセン薄膜では樹枝状結晶の成長がAFM像から確認できた。OFETを作製してすぐ測定した結果から、キャリア移動度 : 0.7×10^<-3> am^2/Vs、閾値電圧 : 32V、ON/OFF比 : 10^2が得られた。また、OFETへの酸素(O_2)ドーピング効果を検討するため、大気中に暴露して2ヶ月間保存した後、I_D-V_D特性を測った。測定結果からキャリア移動度 : 3.1×10^<-3> am^2/Vs、閾値電圧 : 18V、ON/0FF比 : 140が得られた。大気中に2ヶ月間保存することで、OFETの性能が大幅改善された。これは大気中2ヶ月間保存することで、電子親和力の高い酸素が活性層にドーピングされ、活性層にホールが多く形成されることを示す。
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-01-20