加速度計付き傾斜板による視覚誘導性運動能力の測定(第一報)

概要

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本研究では視覚誘導性運動能力を測定できる可能性を有する機器を考案し、年齢による能力の差を検出することが可能か否か検討することを目的とした。被験者は60〜70歳代の高齢女性(高齢者)と20歳代の若年女性(若年者)各18名とした。被験者には加速度計付き傾斜板上に両足を置いた椅子座位をとらせ、16目標点に到達できるまでの所要時間を計測した。その結果、所要時間は高齢者の方が若年者より有意に延長していた(p<.05)。高齢者では1試行目と3試行目の所要時間のみに有意差が認められたのに対して、若年者では1試行目と2試行目、および1試行目と3試行目の所要時間に有意差が認められた(p<.05)。本研究の結果より、本測定において、20歳代と60〜70歳代における視覚誘導性運動能力の年齢による差を検出できることが示された。また、本測定における高齢者と若年者の所要時間の差は、主に視覚情報を基にした中枢神経系の情報処理過程の差を反映していることが考えられた。
埼玉県立大学の論文
2004-07-01