XTRに適したディジタル署名方式

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本稿は, 署名検証が効率的かつXTR (Efficient and Compact Subgroup Trace Representation)に適しているディジタル署名方式を提案し, その安全性を証明する.(u, v)を文書mのDSA (Digital Signature Algorithm)署名か本稿で提案する署名方式とし, gをシステムパラメータ, sを秘密鍵, k=g^sを公開鍵, Hをハッシュ関数とする.DSAの署名検証ではg^<H(m)/v>k^<u/v>を計算, つまり, 2回の指数計算g^<H(m)/v>とk^<u/v>および1回の乗算g^<H(m)/v>・k^<u/v>を行う.本稿で提案する署名の署名検証では一度の指数計算k^<uvH(m)>を行えばよく, 効率的である.また, 提案署名の署名検証にはDSA署名では必要となる乗算を含んでいない.乗算は指数計算に較べればコストの小さな演算だが, XTRを用いる場合は大きな障害となる.XTRはF^*_<q^6>のある部分群Gの元x∈G⊂F^*_<q^6>の代わりにトレースTr(x)=x+x^<q^2>+x^<q^4>∈F_<q^2>を用いる手法であり, Tr(x)とnからTr(x^n)は効率的に計算できるので, Gでの指数計算の代わりにXTRを用いるのは, 表現と計算量に関して効率的である.しかしながら, Tr(x)とTr(y)だけからはTr(x・y)を計算することは不可能であり, XTRを従来の署名方式に用いる場合は公開鍵を3つのトレースTr(g^<s-1>), Tr(g^s), Tr(g^<s+1>)にする必要がある.本稿で提案する署名方式の署名検証では, 指数計算だけが必要で乗算は行わないので, XTRに適した署名方式となる.
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-11-07

XTRに適したディジタル署名方式

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