子宮内膜および栄養膜細胞におけるEMMPRINの発現とその分子機能解析

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【目的】マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は,着床および胎盤形成過程における子宮細胞外マトリックス(ECM)改変の中心的役割を担っていると示唆されている.また最近,ヒトMMP産生誘導因子,EMMPRIN(extracel lular matrix metal loproteinase inducer)のマウスホモローグであるbaisiginが,着床に重要な役割を担っていることが報告されている.今回,演者らはヒト子宮内膨組織およびウシ胚盤胞由来栄養膜細胞(BT-1)においてEMMPRINの発現を検討した.また,ヒト子宮細胞よりクローニングした組換え体EMMPRIN(rEMMPRIN)を用いてMMPの活性発現調節機構についても検討を加えた.【方法】EMMPRINおよびMMPの発現は,免疫染色法およびRT-PCR法により解析した.またCOS-7上に発現したrEMMPRINとMMPとの結合は免疫染色法により解析した.【結果】増殖期および分泌期のヒト子宮内膜の腺上皮において約43-kDaのEMMPRINが検出された.また,子宮腺上皮においてEMMPRINとともにMMP-1の発現亢進が観察された.さらに,BT-1細胞が約51-kDaのEMMPRINを発現していることを初めて明らかにした.一方,COS-7上のrEMMPRINは外因性のproMMP-1のみならず活性型MMP-1とも結合することが明らかとなった.【考察】EMMPRINはヒト子宮内膜およびウシ栄養膜細胞において発現していることが明らかとなり,ヒトおよびウシ子宮のECM改変にEMMPRINが関与することが示唆される.また,EMMPRINがMMP産生促進作用に加え前駆体および活性型MMP-1と結合することが示唆される.
日本結合組織学会の論文

子宮内膜および栄養膜細胞におけるEMMPRINの発現とその分子機能解析

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