ブタのサルモネラ保菌について
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概要
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保菌豚のサルモネラ症の疫学における役割りを知るための基礎的研究として,保菌豚の消化管内容および附属リンパ節におけるサルモネラの分布を定量的に検討した9消化管内容では,盲腸におるサルモネラの検出率がもっとも高く,ついで空腸,結腸,回腸,胃,直腸,十二指腸の順であった.リンパ節では,回腸からの本菌の検出率がもっとも高く,ついで空腸,盲腸,結腸,十二指腸の順であった.胃リンパ節および直腸リンパ節は陰性であった.各部位におけるサルモネラの菌量は,ほとんどのものが102~1047100gの範囲にあった.但し,結腸内容では,定性培養(1027100g以下)のみで検出される場合が多かった.8盲腸内容陽性例における分布域は,陰性例におけるそれよりも広い傾向を示した.5菌型が検出され,S.tyPhimuriumの検出率がもっとも高かった.検出された菌型と分布域,ならびに菌最の間に,特に関係は認められなかった以上の成績を総合して考えると,サルモネラは,ブタの小腸中部より大腸上部に至る間で,多少増殖しながら保菌されているものと推測された.また,盲腸は特に重要な保菌部位であり,ブタの保菌調査には不可欠の器官と認められた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1973-02-25
著者
-
勝部 泰次
国立予防衛生研究所
-
今泉 清
国立予防衛生研究所獣疫部
-
増田 敬三
横浜市食肉衛検
-
増田 敬三
横浜市食肉衛生検査所
-
田中 饒
国立予防衛生研究所獣疫部
-
勝部 泰次
国立予防衛生研究所獣疫部
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