化学的除核卵子へ融合したマウス後期2細胞期胚由来割球の体外発生能

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マウス卵子の化学的除核に用いるエトポシドおよびシクロヘキサミド(ETO-CHXM)が, 極体放出およびクロマチン除去に及ぼす影響を調べた. さらに, 加齢の程度および起源の異なる除核卵子と融合したマウス後期2細胞期胚由来割球の体外発生能を調べた. ETO-CHXM(10-50μg/ml)存在下で培養した第1減数分裂中期卵子の極体放出の割合は, ETO-CHXM非存在下と比べ差異はなかった. しかし, 少数の卵子が, 細胞膜の胞状化や2個以上の極体様構造物の放出などの減数分裂の異常を示した. ETO-CHXM無添加培地で培養した化学的除核卵子の23%は, 極体と再融合した. ETO-CHXM濃度が36および50μg/mlの場合, クロマチン除去の割合(93.5および98%)に差異はなかった. 再構築胚の分割率は, 除核卵子の加齢により, 有意(p<0.001)に影響を受けた. 体内成熟卵子を2分割して得た細胞質を用いた場合, 再構築胚の31.7%が肝盤胞ヘ発生した. しかし, 2分割した体外成熟卵および2分割後, 化学的除核を施した細胞質を用いても, 胚盤胞への発生は改善されなかった. 化学的除核細胞質を用いた再構築胚では, 中期核板の異常が高率(85.5%)に認められた. 以上の結果より, 36および50μg/mlの間のエトポシドは, マウス卵子の除核に適していることが明らかになった. また, 化学的除核卵子の加齢やレシピアント細胞質体積の減少は,再構築胚の胚盤胞への発生を改善しなかった.
社団法人日本獣医学会の論文
1997-02-25

化学的除核卵子へ融合したマウス後期2細胞期胚由来割球の体外発生能

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