鶏におけるEimeria tenella感染に対するさとうきび抽出物(SCE)の防御効果(免疫学)
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概要
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鶏においてさとうきび抽出物(SCE)の経口投与がEimeria tenellaオーシスト感染の推移に及ぼす影響を2つの実験で検討した.実験1においては,3週齢の近交系鶏(主要組織適合抗原複合体遺伝子型H.B15を有する系統)のそ嚢内にSCE(500mg/体重kg/日)を1日または3日間連日投与した後,Eimeria tenellaオーシスト(2 × 10^4/羽)の攻撃感染を施した.実験2においては,1週齢のそ嚢内に上記と同量のSCEを3日間連日投与した後,Eimeria tenellaオーシスト(2 × 10^3/羽)軽度感染で感作した.2および3週齢時に羊赤血球(SRBC)とBrucella abortus(BA)の混合抗原を静脈内に接種し,さらに4週齢時にEimeria tenellaオーシスト(1 × 10^5/羽)の攻撃感染を施した.その結果,オーシストの攻撃感染を受けた鶏においては,1日当りの増体重の顕著な減少,重度の血便,多数のオーシストの排泄や高い病変スコアーが認められた.SCEを投与した後,オーシスト(2 × 10^3/羽)の軽度感染を受けた鶏では,1日当りの増体重,血便,オーシスト排泄や病変スコアーのいずれも,他の攻撃感染群に比して著しく改善した.さらに,SCEの投与およびオーシストの軽度感染を受けた鶏においては,SRBCとBAに村する抗体応答が有意に高く,またオーシストの攻撃感染を受けた鶏の盲腸扁桃のリンパ球にみられるBu-1a陽性およびCD4陽性細胞の相対的比率の低下が改善した.SCEの投与およびオーシストの軽度感染を受けた鶏の盲腸内シゾント,ガメートサイトおよびオーシスト数は,他の感染鶏に比して少なかった.以上の成績から,SCEは鶏の免疫を増強させる作用やEimeria tenella感染に対する防御作用を有することが示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2003-08-25
著者
-
中村 菊保
(独)生物衛生研究所
-
本部 真樹
(独)農業技術研究機構動物衛生研究所
-
中村 菊保
(独)農業技術研究機構動物衛生研究所
-
廣田 好和
(独)農業技術研究機構動物衛生研究所
-
中村 菊保
(独)動物衛生研究所
-
本部 真樹
(独)動物衛生研究所
-
小野寺 節
東京大学大学院応用動物専攻応用免疫学教室
-
小野寺 節
東京大学大学院農学生命科学研究科応用免疫学教室
-
EL-ABASY Moshira
東京大学大学院農学生命科学研究科応用免疫学教室
-
NA Ki-Jeong
(独)農業技術研究機構動物衛生研究所
-
志村 亀夫
(独)農業技術研究機構動物衛生研究所
-
古家 健二
新三井製糖(株)茅ヶ崎研究所
-
古家 健二
(株)新三井製糖茅ヶ崎研究所
-
Na K.-J
(独)農業技術研究機構動物衛生研究所
-
大森 崇司
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医臨床病理学教室
-
中村 菊保
動物衛生研究所
-
Na K‐j
(独)農業技術研究機構動物衛生研究所
-
志村 亀夫
動物衛生研究所
-
志村 亀夫
動物衛生研究所 企画調整部衛生検査科
-
El-absay M.
東京大学大学院農学生命科学研究科応用免疫学教室:(独)農業技術研究機構動物衛生研究所生産病研究部
-
Onodera T
Department Of Molecular Immunology Graduate School Of Agricultural And Life Science The University O
-
廣田 好和
東京農工大学大学院
-
El-abasy M.
Department Of Molecular Immunology Graduate School Of Agricultural And Life Science The University O
-
El-abasy Moshira
Department Of Immunology National Institute Of Animal Health Ministry Of Agriculture Forestry And Fi
-
Hirota Yasushi
Fukui Safety Research Laboratories Ono Pharmaceutical Co. Ltd.
-
Nakamura Kikuyasu
National Inst. Animal Health Ibaraki Jpn
-
志村 亀夫
(独)農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所研究管理監
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