長野県におけるライム病菌の浸淫状況
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概要
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長野県におけるライム病菌Borrelia burgdorferiの浸淫状況を把握するために, 未吸着マダニ類の感染率を調べた。主として1990年6月に, 県下20地点で, 標高800∿2,000mの範囲の林内でマダニ類の多そうな小道を探し, 路上または道沿いの草木上に待機する個体をハタズリ法で採集した。得られたマダニの中腸を用い, 分離培養法または単クローン抗体H5332を用いる間接螢光抗体法によってライム病菌を検出した。20地点のうち, 18地点のシュルツェマダニ, ヤマトマダニの一方または双方からライム病菌が検出され, 長野県のほぼ全域に病原菌による汚染のあることが判明した。マダニ属成虫が20∿25%の感染率を示し, 2種がほぼ同率で汚染されていることが地域的な特色であるとみられた。このように高いマダニ属の感染率は, 西ヨーロッパのIxodes ricinusのそれに匹敵するものであった。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1991-12-15
著者
-
内川 公人
信州大学医学部
-
宮本 健司
旭川医科大学寄生虫学教室
-
中尾 稔
旭川医科大学寄生虫学教室
-
内川 公人
松本市
-
村松 紘一
長野県衛生公害研
-
村松 紘一
長野衛生公害研究所
-
内川 公人
信州大学医学部寄生虫学教室
-
中尾 稔
旭川医大・寄生虫学
-
Uchikawa Kimito
Department Of Parasitology Faculty Of Medicine Shinshu University
-
内川 公人
Department of Parasitology, Faculy of Medicine, Shinshu University
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