モンスーン・アジア灌漑農業の発展段階 : フィリピンの事例

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概要

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モンスーン・アジアにおける灌漑農業の発展過程を耕地開発のあり方に着目しつつ, 発展の動因が耕地の開墾, 灌漑新規建設, 既存灌漑耕地の質的向上が主となる三つの局面を想定し, 独立後半世紀間のデータを用いて, 開墾投資, 灌漑新規建設投資, 灌漑修復・管理改善投資の収益率を推定することにより, フィリピンの作物部門がこれらの局面を経過し, 1990年までには発展の最終段階である第3局面に移行したことを検証した.政府による灌漑投資はこれら局面移行によって示される長期的必要性に規定されつつも, 短期的にはそれから逸脱する大きな変動が観察される.特に現下の局面において必要とされる灌漑修復と灌漑維持管理への投資は, 高い潜在的報酬率を持つにもかかわらず, 過少投資となっており, 既存の灌漑耕地を維持しその質的向上を図るために, このミス・マッチが解消されねばならないことを明らかにした.
2001-09-01

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