タイ国北部における焼畑から常畑への移行過程に関する耕地生態学的研究 : 第2報異なる栽培様式下における作物生産性について
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概要
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タイ国北部の焼畑の常畑的利用が進行している山間部の斜面耕地で, 単作と間作の栽培様式の違いと, また耕起の有無がトウモロコシ, 陸稲, 大豆の作物生産性に及ぼす影響について調査した。9年休閑後の二次林を伐開・火入れ後に造成された耕地では, トウモロコシと陸稲の葉色, またトウモロコシの穫実収量に及ぼす灰の効果が認められた。単作栽培下でのトラクターによる耕起は, トウモロコシの穫実収量, 乾物重の増加や根の伸長に効果があると認められたが, 陸稲では地上部に, 大豆は地下部乾物重と根長にのみ効果があった。一方, 不耕起区で大豆とともに間作されたトウモロコシと陸稲の個体当たりの収量は, 耕起区で単作された場合よりも大きかった。各作物の根の伸長や根数の増加は, 必ずしも収量や乾物重の増加に結びついてはいなかった。トラクター耕起が作物の収量に及ぼす一定の効果は認められる一方, 当調査地のように二次林を火入れ開墾して造成された斜面耕地では, 耕起による土壌侵食の危険性も考慮されねばならない。したがって, 本研究では, 不耕起でダイズと組み合わせたトウモロコシや陸稲の間作栽培が, 作物生産性の点から視て有利であろうと考える。
- 日本熱帯農業学会の論文
- 1996-06-01
著者
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