六倍体ライコムギの麦芽品質に関する品種間比較
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概要
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Rゲノム染色体構成,細胞質,及び播性等が異なる六倍体ライコムギ11品種(Tab1e1)を用いて,小量麦芽製造法により麦芽品質を比較した.Rゲノム染色体が全部揃っている完金型ライコムギは,同染色体の一部がDゲノムの同和染色体で置換されている置換型ライコムギよりも,ジァスターゼ力,麦芽エキス及びエキス収量が高かった(Table3).供試品種のうち2対以上のRゲノム染色体がDゲノム染色体によって置換されている品種はすべてT.aestivum細胞質をもつ品種であったが,これらはジァスターゼ力とエキス収量が比較的低かった(Table1,2,3).T.turgidum細胞質をもつ脂質はT.asetivum細胞質をもつ品種よりもジァスターゼ力が高く,麦芽エキスおよびエキス収量が低い傾向がみられた(Table3).冬型ライコムギ品種`Lasko'は,ジァスターゼ力,麦芽エキス,エキス収量及び発芽力において春型ライコムギ品種よりも高い値を示した(Tab1e2).一般にRゲノム染色体が完全型でasetivum細胞質をもつ品種は,Rゲノム染色体が置換型でtursidum細胞質をもつ品種よつも麦芽エキス,エキス収量及びコールバッハ数が高く,総窒素含量は低い傾向にあると言える.
- 1991-03-01
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