ニカメイガ, ヨシツトガおよびツトガの産卵様式とふ化幼虫の特性
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概要
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ニカメイガ, ヨシツトガおよびツトガの産卵様式と1令幼虫の特性を室内で調べた.産卵量, 産卵過程, 卵期間およびふ化率は3種の間に差は見られなかった.ツトガ, ニカメイガおよびヨシツトガの1雌当たり産卵数は, それぞれ, 661.1, 514.9および193.2で, 種間に明らかな差があった.卵粒およびふ化幼虫の頭幅の大きさは, 種間に差があり, 産卵数とはまったく逆の順序であった.ニカメイガの卵塊当たり卵粒数はヨシツトガより明らかに大きかった.ふ化幼虫を飢餓条件においてその生存日数を調べたところ, ヨシツトガは他2種より明らかに長く生存した.ふ化幼虫が寄主植物に食入した時, ニカメイガは集団であったのに対しヨシツトガは単独と考えられた.ツトガは植物の葉を単独で摂食した.これらの結果から, Ancylolomia属とChilo属との間に, およびニカメイガとヨシツトガの種間にそれぞれ小卵多産と大卵少産の対立する戦略があると考えられた.
- 日本昆虫学会の論文
- 1981-12-25
著者
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