ワタアブラムシの暖地における冬期の発生消長と増殖に及ぼす温度の影響
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概要
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高知県南国市において,1984年12月∼1985年5月までの冬期に実験圃場と無加温のガラス室でオオイヌノフグリに発生したワタアブラムシの発生消長を調べた。また,発生と温度との関係を知るため,同植物上での産子数,幼虫の発育と生存率および個体数の増殖などに及ぼす温度の影響を室内で実験的に調べた。実験圃場におけるワタアブラムシの発生は12月上旬ではコロニー当たり個体数はごくわずかであった。その後,個体数は少し増加したが,2月まで低いレベルで推移した。これはこの期間の気温が低いことによると考えられる。なぜなら,室内の実験結果によると,温度が低いと雌成虫の産子数は少なく,また幼虫の発育も遅れ,さらに幼虫の生存率も低くなるからである。それに対して,無加温のガラス室では12月下旬からワタアブラムシの個体数はしだいに増加した。これはガラス室が圃場より気温が高かったことによると思われる。3月になると,気温が2月より上昇してきたことによりワタアブラムシの個体数は圃場でもさらに増加した。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1987-05-25
著者
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