ワタアブラムシ有翅虫の飛び立ち
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概要
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有翅老齢幼虫をオオイヌノフグリで飼育したコロニーから採集し,シャーレーに入れて室内で1時間ごとに羽化数を調べた。羽化は昼間も夜間も同じように見られた。羽化直後の個体を容器内の紙上に接種して飛び立ちを調べた。それらはおもに10∼24時間後に飛んだが,飛ぶまでの時間の範囲は1∼31時間であった。多くの羽化直後個体は日出頃(7:00)から14:00までよく飛んだ。これは昼間から夜間にかけて羽化した個体が翌朝の日出頃から一斉に飛び出したことを示している。羽化直後の個体を容器内の新鮮寄主植物に接種して飛び立ちを調べた。その飛び立ちまでの時間は植物がないときよりさらに遅れた。すなわち,その日に飛ぶ個体は少なく,次の日がもっとも多く,その後は経過するにつれてしだいに減少した。その日に飛んだ個体では産子は見られなかったが,1日後に飛んだ個体では40%が産子し,その後はその割合は経過するにつれて高くなり,1成虫当り産子数も経過とともに増加した。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1987-11-25
著者
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