思春期における自我同一性発達に関する調査研究
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概要
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人格形成の過程における重要な岐路にある中学生(大阪府下、Ⅰ中学校生徒484名)を対象に,自我同一性が,年齢,性別,家族関係や個人の性格などからどのような影響を受けているかを,エリクソンの精神発達理論に基づいて検討を加え,もって思春期における精神保健教育に資することを目的とした研究である。調査方法として,自我同一性発達を測定するための質問紙としてRasmussenのEgo Identity Scale,YG性格検査(中学生用)およびP-Fスタディ(青年用)を実施した。調査結果から,自我同一性は,基本的には年齢に比例すると考えられるが,各学年の状況の違いから受ける心理的影響,家族関係や個人の性格が同一性発達に強く影響を及ぼしていること,また因子分析結果から,同一性発達の早い者は,外向的で情緒が安定している傾向がみられた。また,中学生期の男子は,一般に外向性を示すものの情緒不安定傾向にあるためか,自我同一性発達が女子よりも遅れていることが示唆された。The effects of the age,sex,family make-up and personal character on the development of ego identity of the junior high school students who stand at the important period of the formation of personality examined on the basis of Erikson's theory of mental development.As a questionnaire surve,Rasmussen's scale for the measurement of ego identity,YG character test(for junior high school students)and P-F study(for the youth)were used.From the results,the development of ego identity seems to be proportionate to the age fundamentally,but mental influence by the differences of circumstances between each year such as entrance into new school or preparations of admission examination for higher grade,family make-up,and personal character strongly affected the development of ego identity.In the factor analysis,the students who developed the ego identity early,showed the tendency to be extrovert and emotionally stable.It was suggested that the male students,who generally are extrovert,also liable to be unstable in emotion,are slower than female students in the development of ego identity.
- 大阪教育大学の論文
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