青年期における健康問題に関する調査研究(I) : 体位,体型および食生活の実態について
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概要
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最近における高校生と大学生の体位と体型に関する事項および食生活の実体等に関し比較検討した結果,大略以下のごとき傾向が明らかとなった。体位について,高校生と大学生の意識に些か差があっても,一般に男子はより大きく逞しい体格を,女子ではよりスリムな自画像を望んでいた。これを各体型別についてみると問題視すべきは女子であって,現在平均体型域や過軽体型域の者であっても,その体型よりも一層細長な体型をめざし,しかもこのような細長指向は,細長者程その割合が高い。また,実際の自己の体型についての誤認率は男子では非常に低いが,女子では例えば,平均体型域に属している者で,自己を肥満視している者は60数%を占めており,しかも,その誤認率は過軽体型域に属している者程高い。食生活上の問題点については,3度の食事についての欠食しがちな者は,そうでない者に比して校種性別を問わず,各種栄養素の摂取状況についてみても劣っている者の割合が高い。大学生について,自宅(A群)と下宿・寮(B群)の居住形態別に分け,それぞれの食生活の実態を探ってみた。A群に比してB群-ことに男子-では,食習慣,栄養素の摂取状況等,調査したいかなる項目についてみても好ましくない者の割合が可成り高い。Physical standards,physical forms and dietary habits were compared between recent high school and university students.The results are outlined as follows.In general,male students desired themselves to be of a larger and brawnier construction and female students a slimmer construction,despite some differences in self-consciousness of desire between high school and university students.Self-consciousness with regard to physical forms were a serious issue on the part of female students.Namely,female students of even average or underweight form aspired to have an even more slender form.Such desire was more intensely pronounced in female students having a more slender form.The rate of misconception as to the actual physical form of their own was very low in males.On the other hand,it was very high in females.For example,approximately 60% of females of even average weight form considered themselves to be obese.Furthermore,the rate of misconception increased in those who belonged tothe underweight form.With regard to the problems related to dietary habit,the ingestion of nutrients was lower,regardless of age(high school or university)or sex,in those often-disposed to meal refusal,compared to those having regular diets.And then,university students were divided by their places of residence into 2 groups(Group A:residing at home,and Group B:dwelling in a boarding-house or dormitory)to compare the actual dietary conditions.The dietary habit,ingestion of nutrients and all other items of dietary condition examined were poorer in a considerably larger number of students,especially males,of Group B compared to Group A.
著者
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萱村 俊哉
大阪市立大学生活科学部
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上延 富久治
大阪教育大学保健学教室
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奥村 佳世
大阪教育大学保健学教室
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小西 二朗
大阪教育大学保健学教室
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駕田 孝司
大阪教育大学保健学教室
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谷口 佳三
大阪教育大学保健学教室
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上延 富久治
大阪教育大学
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萱村 俊哉
大阪市大 生活科
-
小西 二郎
大阪教育大学保健学教室
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