コネクショニズムは認知科学と神経科学の架け橋となるか? : 関係表現におけるfiller-filler法とfiller-role法
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概要
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こころと脳の問題を解明する上で、コネクショニズムは認知科学と神経科学2つのレベルの中間に位量すると考えられる。しかし、コネクショニストモデルが2つのレベルの架け橋となるには両分野で検証可能なほどに十分具体的でなければならない。我々はコネクショニストモデルによって認知の関係性理論と脳イメージング手法とを結びつける方法を示す。関係性理論では、引数の数が多くなるにしたがってワーキングメモリの負荷が増大する。ここでは2つの異なるコネクショニストモデル(filler-filler 法とfiller-role法)の正当性を脳イメージングによって検証することを提案する。まず、filler-filler 法(要素と要素情報をバインドする方法)からは引数の増大にともなって指数関数的にユニットの数も増大することが示唆されるが、filler-role法(要素を位置情報にバインドする方法)ではユニット数は、線形であることが示唆される.また、filler-filler法は各引数に対して異なるグループのユニットが必要となるのに対して、filler-role法では同じグループのユニットが活性化される。我々は、神経活動が関係における引数の関数であることを調べるための脳イメージング手法を用いた実験を提案する。もし、これらの実験によって神経活動の非線形性あるいは引数が異なるタスク間の違いを示すことができれば、認知科学における関係性理論をサポートするであろう。
- 1997-02-07
著者
-
開 一夫
電子技術総合研究所情報科学部認知発達ラボ
-
仁木 和久
電子技術総合研究所
-
ステイーブン フィリップス
電子技術総合研究所
-
開 一夫
東京大学大学院総合文化研究科:科学技術振興事業団
-
開 一夫
電子技術総合研究所
-
中井 敏晴
電子技術総合研究所
-
仁木 和久
電子技術総合研究所情報科学部
-
仁木 和久
産業技術総合研
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