復帰誘導後のマクロファージ様細胞による殺菌機能に及ぼす磁場影響

概要

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ある種のホルボルエステルが遺伝子レベルで白血病細胞を正常な血液細胞へ誘導する分化誘導作用が見出され、本作用を用いた白血病治療が注目されている。一方で磁場が遺伝子レベルで生体作用に影響を及ぼす可能性があることから我々はホルボルエステル(PMA)による培養白血病細胞(U937細胞)の分化誘導作用に対して340mT静磁場または50Hz、62mT変動磁場を曝露し、その影響を検討することで本療法の適用拡大を試みてきた。その結果、白血病細胞の増殖、分化誘導作用による血液細胞(マクロファージ様細胞)への復帰率、復帰誘導後のマクロファージ様細胞の化学物質に対する貪食機能に磁場は影響を及ぼさないことを確認した。本報では分化誘導により復帰したマクロファージ様細胞に大腸菌を取り込ませることで、マクロファージ様細胞の殺菌機能に及ぼす磁場影響について検討した。その結果、340mT静磁場を3時間曝露すると大腸菌数が約50%減少することを確認し、貪食機能を磁場が増強させることを確認した。
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-11-21