写像の幾何学的特徴を用いた非線形モデルの関数近似能力評価法の提案

概要

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近年、非線形問題を解く数理手法としてニューラルネットに代表される様々な非線形数理モデルが提案されている。それに伴い、それらの写像能力の解明を行なう研究が盛んに行なわれている。本稿では、一般の非線形数理モデルに関する写像能力の汎用的な評価を目的として全く新しい手法を導入する、すなわち、関数近似を行うための-入力-出力の3層ニューラルネットを例にとり、その関数近似能力を評価するための独自な尺度として"写像特徴密度"という尺度を導入する。この尺度により、モデルの写像能力ばかりでなく問題の難しさをも定量的に評価することの出来る汎用的な概念を提案する。また、この概念を用いることきにより実際に学習することなく関数モデルの形のみによりモデルどうしの類似性を評価することが可能となる。具体的には、一価関数という問題のモデルならびに多層ニューラルネットという関数近似モデルの双方にこれを適用することにより、その次数が一定な任意のべき多項式を近似するために必要で十分なニューラルネットの中間層素子数の推定方法を提案し、非線形回帰問題への応用について論ずる。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-03-27