面素どうしの相互作用を考慮した3次元形状変形手法

概要

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近年、コンピュータグラフィックスを駆使して仮想現実感という擬次的体験をするシステムの建築、手法等の研究が頻繁に行われている。その1つとして、仮想空間上での3次元形状(以下オブジェクトと称す)に対する変形手法の提案、及びシステムの開発が盛んに行われている。これら既存の変形手法の大部分は、オブジェクト表面上の点、輪郭線あるいはオブジェクト全体を囲む制御点格子を形状変形の単位として扱い、個々の線分の物理的特性を基本とした大局的変形を扱っている。しかしながら、3次元グラフィックスでよく用いられるサーフェスモデルをその面素どうしの相互作用に基づいて直接扱うための手法は、ほとんど報告されていない。そこで本稿では、オブジェクトを構成する面素に着目し、その1つの面素を形状変形の単位として扱う。具体的には、ある面素を「押す」ことにより、その作用面に連続する面素どうしが各々の面素形状を保持しながら、相互作用し合い形状変形を行う手法を提案する。また、面素形状を保持しながらの変形が不可能な場合(以下、特異な場合と呼ぶ)についての考察を行う。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-03-27