二機無限大母線系統の相空間構造
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
電力系統の過渡安定問題に関連して、多自由度動揺方程式は長年に渡って研究対象とされている。ところが従来からの報告の多くは、系が安定な状態に至る初期値の範囲をハミルトン関数やリヤプノフ関数を調べることにより間接的に知るものであった[1]。これらの方法は与えられた初期値が安定平衡点に収束するための十分条件を見るものであって、非線形微分方程式がもつ大域的な位相空間の構造全体を把握するには、非線形力学的な観点からのアプローチが必須である。ここで二自由度以上の多自由度系では、一自由度系にはない各自由度間の結合による複雑な現象が生じること、加えて相空間が必然的に四次元以上の高次元系となることからその視覚的な表現すら不可能であり、従って大域的な構造に関する理解は容易ではない。筆者等は、最も簡単な二自由度系の大域構造を計算機を用いた数値実験により位相力学的に把握することを目指し、そのモデルとして電力系統の基本的な要素のみを残して十分に簡単化されたものを表現する二自由度動揺方程式を扱ってきた[2][3][4]。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-03-06
著者
関連論文
- 減速脱調現象について
- 三機無限大母線系統の動揺方程式の引力圏について(2)
- 三機無限大母線系統の動揺方程式の引力圏について
- 対称性を持った連続力学系に対する遅延フィードバック制御
- 半周期遅延フィードバックによるLorenzアトラクタの制御
- 半周期遅延フィードバックによる Duffing方程式の正不安定解の安定化
- 同期機のポーシェリアクタンスに関する一考察
- 電機子継鉄部が飽和する同期機の空隙磁束分布モデル
- TCR方式静止型無効電力調整装置のスイッチング時間分岐現象について
- 2周波数励振した系に生じる振動現象
- A-2-10 街路に生じる交通量分布と信号操作に関する検討
- 五次ポテンシャルに生じる振動現象と引力圏構造
- A-2-17 五次ポテンシャルエスケープ方程式系の引力圏構造
- UJT発振回路に生じる弛張振動(2)
- UJT発振回路に生じる弛張振動の考察
- 二自由度動揺方程式の束縛運動と分離枝構造について
- 二自由度動揺方程式のポアンカレ断面と不変多様体の大域構造
- 二自由度動揺方程式における二機脱調解について
- 二自由度動揺方程式系の引力圏構造(3)
- 二機無限大母線系統の相空間構造
- 二自由度動揺方程式系の引力圏構造(2)
- 二自由度動揺方程式系の引力圏構造
- 進行磁界による永久磁石への作用力の3次元計測
- PM型リニアモータに生じる振動に関する一考察(II)
- ミノルスキー系における初期関数問題について(2)
- 非線形負荷を含む電力系統の電圧異常現象と電圧崩壊
- 非線形負荷を含む電力系統における電圧崩壊現象
- 高調波吸収同期機の電気制動機構の解析
- ニューラルネットワークによる力学系の学習過程と引力圏
- 周期的強制外力項をもつPLL方程式におけるカオスアトラクタのクライシスによる消滅と間欠性
- 周周期的強制外力項をもつPLL方程式におけるストレンジアトラクタのクライシスによる消滅と間欠性
- 静止法で測定した同期機諸定数を用いたシミュレーションと実験の比較
- 静止法によるa, b, c相巻線から見た同期機諸定数の測定
- 磁気弾性連鎖系における節の移動と引力圏構造
- 磁気弾性結合系に生じる波動解の引力圏構造
- 磁気弾性連鎖系における波動解の伝搬速度を用いた解析
- 磁気弾性連鎖系の時空カオスの現象論的検討
- 損失項のない非線形常微分方程式を対象とした数値計算の誤差評価について
- 加振薄鋼板の線形力学モデルとその適用限界
- 柔構造鋼板の加振時における動特性と材料力学的手法に基づく解析
- 電力系統間の同期現象について (3)
- 電力系統間の同期現象について(2)
- 電力系統間の同期現象について
- 電力系統間の同期現象に関する引力圏について
- 界磁共振コンデンサを有する高調波吸収同期機の線間短絡(2)
- Modified Rayleigh/Duffing/van der Pol Equationについて
- Modified Rayleigh/Duffing/van der Pol Equationについて
- 非線形連続力学系のパラメータの誤差を解軌道の誤差から推定する方法
- DC-DCバックコンバータにおけるスイッチング分岐に関する実験的検討
- DC-DCバックコンバータにおけるスイッチング分岐に関する実験的検討
- コンバータ回路出力に現れる分岐とカオス現象の一検討
- スティック・スリップ運動に関する実験と解析(2)
- 呼吸に依存したRR間隔のダイナミクス
- 時間遅れ系の時空状態空間への展開について