不均一伝送線路の周波数領域による解析

概要

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高速VLSI回路は、高密度及びその複雑な構造のために、通常、不均一分布定数回路とみなされる。従って、これらの回路を設計及び合成する場合には、不均一伝送線路の解析は大変重要な問題となる。従来、損失の小さい線路を対象にしていたcharacteristic methodは、近年、Changによって不均一、損失大、周波数依存性をもつ線路への改良がなされた。しかしながら、他の多くの解析手法と同様に特定の構造を持つ線路にのみ適用が可能である。一方、任意の構造を有する線路に適用できる手法としては、チェビシェフ展開法を用いる方法が挙げられる。この方法では損失の大小によって適用が制限される問題点がある。また、S-行列を用いる方法が、Zutterらによって報告されている。この方法では、損失の大小に関わらず不均一線路の解析が行なえ、また、S-行列が測定によって容易に得られることも有益ある。本文で報告する解析手法は、上記と同様に線路の構造によって制限されない。また、伝送線路解析の新たな局面として非線形性を有する線路へ対応が必要であるが、これへの適用も可能である。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-03-27