電流モードカオスニューロン回路によるトランジェントカオスの実現

概要

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近年、合原らによって提案、研究されているカオスニューラルネットワークモデルは巡回セールスマン問題(TSP)に適用され、その有効性が報告されている。しかしながら、ネットワークのカオス的振舞いによって局所解への収束を回避できる反面、最適解へ収束させることが困難である。そこで、この問題を解決するために、Chenらは最終的なネットワークの状態が最適解を示すカオスシミュレーテッドアニーリング(CSA)法を提案した。また、筆者らはTSPを解くためのカオスニューラルネットワークをアナログ回線で実装することに関して検討を行なっているので、最適解の判別が容易になるCSAの実装は非常に有用である。そこで、既に提案した電流モードカオスニューロン回路にCSAを実現するための回路を付加し、CSAの基本要素であるトランジェントカオスをSPICEシミュレーションにより観測した。よって本稿では、電流モード回路によるトランジェントカオスの実装とそのシミュレーション結果について報告する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-03-27