SS-520-2観測ロケットによって観測された極域におけるDC電場解析

概要

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2000年12月4日にノルウェー・スピッツベルゲン島から文部科学省宇宙科学研究所の観測ロケットSS-520-2号機が打ち上げられた.ロケットは最高高度1,108 kmに達し,1,150秒に及ぶ観測を行い,良好なデータを取得した.SS-520-2観測ロケットは昼間側極域におけるプラズマ粒子の加速・加熱機構の解明を目的とし,高時間分解能をもつ粒子エネルギー分布観測機と広帯域波動受信機を搭載している.本研究ではSS-520-2観測ロケットに搭載された電場観測機EFD(Electric Field Detector)のデータを用いて,特にプラズマ粒子の加速現象に関与していると考えられるDC電場の解析を行った.DC電場解析において,ロケットが地球磁場を横切ることによって生ずる誘導電場V×Bの影響を除去する必要がある.しかし,現時点では未知のパラメータが多数存在するため,それらの未知のパラメータをEFDデータから推定することによって誘導電場を除去した後,DC電場の評価を行った.その結果,ロケットの最高到達点付近において強度約20mV/mの自然電場の存在を確認した.自然電場はロケット打上げ約500秒後から観測され,その方向はほぼ南西,強度は20〜40 mV/mであった.
2003-02-01