新しい二重膜濾過法(加温式再循環法)の使用経験 : 吸着型LDLアフェレシス療法との比較をふまえて
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概要
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現在,我が国では家族性高コレステロール血症(FH)や閉塞性動脈硬化症(ASO)などの患者を対象にLDLアフェレシス療法が行われている.このような現状の中,加温式再循環法(新DF法)が開発され,臨床施行する機会を得た.新DF法の特徴は,血漿分画器内の温度を42℃前後に制御することにより,各溶質の分画分離特性の向上を図った点である.このことは,置換液としての血液製剤の補充を全く必要としない利点をもたらした.さらに,本法は廃棄血漿を再循環することにより,回路内に除去対象溶質を捕捉し続けるため,排液ラインのない回路構成となった.今回,我々はFHの患者4名に新DF法を施行し,従来のデキストラン硫酸カラムを用いた吸着法と比較した.結果は,LDL-コレステロールの除去率が吸着法74%,新DF法72%であり,ほぼ同等な除去が行えた.また,4,000ml程度の血漿処理を全例安全に行えた.さらに,新DF法は吸着法に比べ,医療材料費が安価であった.今後,治療前後における血漿粘度の低下率が高いことから,末梢循環の改善を目的としたASOや過粘稠血症などへの適応が期待される.
- 日本アフェレシス学会の論文
- 2003-02-28
著者
-
秋葉 隆
東京女子医科大学病院血液浄化療法科
-
川嶋 朗
東京女子医科大学附属青山女性・自然医療研究所
-
二瓶 宏
東京女子医科大学第4内科
-
峰島 三千男
東京女子医科大学腎臓病総合医療センター
-
金子 岩和
東京女子医科大学腎臓病総合医療センター
-
金野 好恵
東京女子医科大学臨床工学部
-
江口 圭
東京女子医科大学臨床工学部
-
二瓶 宏
東京女子医科大学第四内科学
-
二瓶 宏
長生学園
-
二瓶 宏
東京女子医科大学
-
江口 圭
東京女子医科大学 第4内科
-
天野 雄介
東京女子医科大学腎臓病総合医療センター血液浄化部門
-
横井 良
東京女子医科大学腎臓病総合医療センター血液浄化部門
-
川嶋 朗
東京女子医科大学 第4内科
-
峰島 三千男
東京女子医大 腎センター
-
天野 雄介
東京女子医科大学臨床工学部
-
峰島 三千男
東京女子医科大学 臨床工学部
-
秋葉 隆
東京女子医科大学 医学部第四内科学
-
二瓶 宏
東京女子医科大学腎臓内科
-
横井 良
東京女子医科大学臨床工学部
-
金子 岩和
東京女子医科大学
-
川嶋 朗
東京女子医科大学血液浄化療法科
-
川嶋 朗
東京女子医大腎臓センター
-
秋葉 隆
東京女子医科大学
-
横井 良
東京女子医科大学腎臓病総合医療センター
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