前立腺癌stage D1に対するホルモン先行放射線治療の成績

概要

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前立腺癌stage D1に対するホルモン先行放射線治療の成績を検討した.対象は1980年から1991年までにstaging operationを行いstage D1と診断し,ホルモン先行放射線治療を行った18例で,平均年齢は65.5歳,平均観察期問は3年8ヵ月であった.分化度は高分化型4,中分化型6,低分化型8例であった.組織学的診断と病期診断が確定した後,まずホルモン療法を先行し前立腺の縮小を認めた時点で前立腺原発巣に対し放射線治療を行い,さらに照射後の維持ホルモン療法を行った.全例で局所の萎縮とマーカーの正常化が得られ,重篤な副作用は認められなかった.18例中4例が再燃し,そのうち2例が前立腺癌死した.5年非再燃率65%,5年累積生存率68%,疾患特異的な5年生存率82%,癌死率50%であった.分化度別では低分化型の予後が悪い傾向が見られた.Stage D1のホルモン先行放射線治療は合併症が少なく安全に施行できstage Cとのほぼ同様の成績が得られた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1993-03-20