前立腺癌病期Cにおけるエストロジェン先行放射線治療の成績

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前立腺癌病期Cの治療成績を向上させるために,staging operationとエストロジェン先行放射線治療を試みた.対象は1980年から1989年までの前立腺癌病期C34例中エストロジェン先行放射線治療を行った20例で,そのうちの半数にstaging operationが行われた.平均年齢は69.3歳である.分化度は高分化5,中分化5,低分化9,残りの1例は細胞診断で分化度不明であった.先行エストロジェンはDES-DPが15例に,その他が5例に投与された.続いて行われた放射線治療は前立腺原発巣とし,精嚢に浸潤があるときはそれを含め,linear acceleratorにて両側対向2門120度振子照射で70Gyを7週間35回分割にて照射した.照射野は6×6ないし8×8cmとした.11例には照射後もホルモンを継続して投与した.触診上の前立腺改善率は94.4%,萎縮率は50%であった.再燃は4例にみられ,そのうち3例は治療開始後3年以内であった.再燃部位は2例が原発巣,2例が骨転移,5年非再燃率は81%であった.照射直後ホルモン中止の3例中1例は65ヵ月後原発巣が再燃し,その他の2例は胃癌死,不明死であった.死亡は6例で,死因は前立腺癌1,胃癌1,心不全1,肺炎1,不明2,前立腺癌死率は25%(1/4例)で,Kaplan-Meier法による5年累積生存率は59.0%であった.病理学的病期Cに対するエストロジェン先行放射線療法はわれわれの病期Bの照射単独療法と同様の好成績が得られ,適切な治療と考えられた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1993-03-20

前立腺癌病期Cにおけるエストロジェン先行放射線治療の成績

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