NMR-CTの泌尿器科疾患への応用(予報)

概要

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1982年5月より東芝中央病院において160例のNMR-CT臨床試験を行なっている。対象断層面は全身におよび、泌尿器科領域でも腎、副腎、前立腺などの画像化を行なった。NMR-CTの長所としては、(1)自由な断層面が得られること。(2)骨、歯などによる偽像形成が少ないこと。(3)電離放射線の被曝がないこと。(4)X線CTにくらべ軟部組織のコントラストが高いこと。(5)血流の状態をある程度観察できること。(6)対象組織の化学特性を反映していること。などがあげられる。泌尿器科領域においてもこれらの点を利用し、前立腺、腎、睾丸、膀胱などの多様な疾患に有力な診断手段となりうると考えられる。特に腫瘍診断におけるNMR-CTの応用は期待されるところである。ただしNMR-CTの画像は対象組織の種々な要素に左右されるため疾患による撮像法の工夫、選択が望まれる。現状では画像の鮮明度はX線CTに劣るがNMR-CTでは対象組織の化学特性を直接反映するため前者とは本質的な差があり、両者の相補的な関係が望まれる.
社団法人日本泌尿器科学会の論文