小児一側先天性水腎症例の術前後における腎機能の推移 : DMSA腎摂取率による分腎機能の検討

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
小児の一側先天性水腎症例20例を対象に,腎盂形成術前後の水腎及び健腎機能の推移をDMSA腎摂取率で検討した。水腎側では,20例中13例(65%)に腎盂形成術後顕著な腎機能の改善が認められた。年齢でみると,2歳以下は10例中8例(80%),2歳以上では10例中5例(50%)であった。健腎側をみると,2歳以下の6例に,閉塞解除後患側腎のみならず健側腎DMSA腎摂取率の増加が観察された。このような現象は,2歳以上の症例には認められ無かった。健腎側のDMSA腎摂取率の増加は,年齢的な要素を考慮にいれると,腎発育に対する対側水腎の影響が推測され,水腎の存在が対側腎発育を抑制しており,閉塞の解除によりこの抑制がとれ,腎発育が促進された結果と考えられた。以上より,小児の一側水腎症例では,2歳以下の早い時期に閉塞を解除することが,患側腎機能のみならず健側腎にとっても重要と思われた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1991-10-20

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク