外来における経尿道的尿管砕石術(TUL)の経験

概要

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外来尿管結石患者200例に対してレントゲン透視をもちいずに経尿道的尿管結石摘出術(TUL)を施行した.麻酔には術後,患者が独歩帰宅できるように主として仙骨硬膜外麻酔(continuous caudal epidural anesthesia)をもちいた.一回のTULで結石を摘出できたのは102症例(51%)であった.しかし,下部尿管結石に限れば104症例中70例(67%)が一回のTULで結石を摘出することができた.外来のTULを行った200例の内,3ヵ月以上follow upできた183例でみると,最終的にstone-freeとなった症例は146例(80%)であった.早期の合併症としては発熱,出血,尿管穿孔を,それぞれ3例(1.6%),5例(2.7%),7例(3.8%)を経験した.晩期の合併症としては尿管狭窄を4例(2.1%)経験した.このうち,2例は外科的に治療し,他の2例はDouble-Jカテーテルを留置することで対処した.以上の結果から,適切な準備体制をとればTULを外来で施行することは可能であり,少なくとも下部尿管結石に対してはまず,外来でTULを試みて良いと思われた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1988-11-20