吸引生検による膀胱癌リンパ節転移の診断

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
膀胱癌例116例に両足背よりのリンパ管造影後,細針による経腹的な骨盤・後腹膜リンパ節の吸引生検を行った.リンパ管造影では12例が画像診断上陽性であり,吸引生検による細胞診では12例中10例が陽性であった.リンパ管造影陰性であった104例中11例(11%)が吸引生検陽性であった.51例に膀胱全摘術,リンパ節郭清術を行った.吸引生検による細胞診と郭清による組織診がともに陽性は5例,共に陰性は43例で,1例は吸引生検が陽性で郭清が陰性,2例は吸引生検が陰性で郭清が陽性であった.吸引生検と郭清の一致率は94%であった.遠隔転移を認めない症例で,リンパ管造影陰性で吸引生検陽性例の生存率は,リンパ管造影陽性例に比べ有意に(p<0.01)高かった.リンパ節転移陽性5例が3年以上再発なく生存中である.それらの症例のリンパ節転移部位は総腸骨領域以下であり,転移リンパ節の数は3個以内であった.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1990-10-20

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク