レーザー光広角散乱パターン分析による尿細胞診の基礎的研究

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概要

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各種生体細胞の形態学的特徴がレーザー光広角散乱パターンに反映されることに着目し,本法を細胞診の自動判定に応用するための基礎的研究を行なつた。装置はHe-Neレーザーと顕微鏡を主とした光学系システムと,パターン検出および信号処理のためのミニコンピュータとで構成される。尿細胞診への応用に先立ち,ラテックス球による基礎的実験を行なつた結果,レーザー光広角散乱パターン分析により試料の大きさ,内部構造および表面構造の差が識別できることが解つた。次に未分化膀胱癌患者から得た尿沈査中の良性細胞と悪性細胞を同システムで分析したところ,良性細胞4.70±0.58悪性細胞6.09±0.39と数値化され両者の間に有意の差が認められた(P<0.005)。以上の結果から,レーザー光広角散乱パターン分析を用いることにより尿中細胞の形態的特徴を定量化して識別することができ,尿細胞診の自動化への応用が可能と思われた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1982-09-20

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