佐渡島加茂湖の自然環境とその歴史

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概要

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潟湖である加茂湖は新潟県佐渡島の国中平野の北東部に位置し, 両津市街をのせる砂州によって両津湾からへたてられている。潟の北東部が人為的に設けられた水路によって連絡しているため, 海水ないし汽水で満たされている。最終氷期の海面低下期には現在の両津湾へつづく谷の再奥部付近にあたり, 小佐渡・大佐渡山地からの河川が集中していた。晩氷期以降の海水準上昇期には海進の進行とともに現在の両津湾につづく入り江が最奥部に出現し, 海湾の一部となった。その後入り江での埋積が進行し, また住吉野城段丘の延長部に砂州が成長をはじめ, 入り江の口が狭められ潟湖に変わった。とくに弥生海退期の頃から海水の流入が減退し, 潟湖は汽水から淡水化した。明治時代に洪水対策から, 水路が切り開かれ, 再び海水の流入する潟湖となり, 現在にいたっている。なお, 本論では加茂湖およびその周辺の地形・地質, 湖底下の地質, 湖水, その底質などの資料を概説している。
日本地質学会の論文
1993-03-29

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