A-32 有機質溶解能を有する被着面処理剤に関する研究(その1) : 根管清掃剤の象牙質被着面処理剤への応用
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概要
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現在、歯質、特に象牙質に対する接着を考えるとき、各種酸を用いてハイドロキシアパタイトの脱灰をおこない、その結果、コラーゲンリッチになった被着面に対して、ボンディング剤の反応点を求めている。演者らは、エナメル質に対する接着が、燐酸を用いる歯面処理によってほぼ満足出来る接着力を得ていることに着目し、象牙質被着面をエナメル質と化学的に類似のハイドロキシアパタイトリッチの状態にすることによってエナメル質、象牙質共に良好な接着力が得られることを期待して、有機質溶解能を持つ化合物として根管清掃剤に着目し、それらによる被着面処理を試みた。その結果、ボンディング剤としてCLEARFIL NEW BONDを用いた場合、MORHONINE-NEO CLEANERの系で牛歯エナメル質(:E)に12.2±4.8MPa、同象牙質(:D)に10.7±3.9PMa、PSS-NEO CLEANERの系でE:16.5±51MPa、D:8.8±2.2MPaとエナメル質、象牙質共に良好な接着性を示した。さらに、これら根管清掃剤によって処理された被着面の機械的強度は低下していないことも明かとなった。
- 日本歯科理工学会の論文
- 1990-03-15
著者
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